エシカル・サスティナブルお知らせコラム・インタビューひと・くらし健康・ウェルネス最新記事

【~照明で導く、ウェルネスな暮らし~ ユーリカブルーの照明デザイン】 Vol.1 New Standard / 次世代の標準サーカディアンリズム照明とは 

みなさんは、「サーカディアンリズム」という言葉をご存じですか?
ラテン語で「約、おおむね」を意味する「circa」と「日」を意味する「dies」を語源としていて、つまりは”概日的な””大体一日”という意味が「サーカディアン」にはあり、それに
リズムがついて「約24時間周期の体内時計」と訳すことができます。
この「サーカディアンリズム」は、ウェルネスの分野で近年よく使われるようになりました。

もう少し掘り下げますと、「サーカディアンリズム」は、生物が持つ約24時間周期を指しているのですが、我々人間にとってもしかりで、なかでも、睡眠・覚醒、体温、ホルモン分泌など、心身の機能の多くが、1日周期で変動しているといいます。
つまりは、24時間周期でリセットされ、そのタイミングはどこにあるかというと、「朝の光を浴びること」
にあるのです。
よく私たちは、「あなたは朝型?」とか、「私は、夜型なのよ。だから朝はめっぽう弱いの。」なんて言ったりするのですが、この「朝型」、「夜型」。
実際には地球上の大半の生物が「朝型」であり、人間に関していえば、すべてが「朝型」にあたるそうなんです。

少し話がそれましたが、このサーカディアンリズム(概日リズム/体内時計)という言葉。現代人の健康や美容の質を向上させる「ウェルネス」の文脈で最近特に注目されるようになりました。
睡眠の質の向上や、体温はもちろん、ホルモンの分泌や、免疫力、代謝といった、人体の健康をつかさどる機能において、約24時間周期で最適化する仕組みが紐解かれるようになり、次世代のニュースタンダードとして、重視されるようになったのです。

ユーリカブルーでも、自社運営サイト「サスティナブルな旅と暮らしのWebTABITO Japan」で取り上げる旅に関連したウェルネスはもちろん、「照明デザイン」の観点からも、照明とウェルネスの関係性に注目しています。
特に筆者の場合は、照明デザイナーの立場からも、スタイリッシュな空間づくりやデザイン性が高い照明計画を追求することも大切ですが、その空間や暮らしが、快適であり、さらには「ウェルネス」につながっていることを常に意識して照明計画を実践しています。

言い換えれば、「照明とウェルネスの相関関係」とでもいうのでしょうか。それを意識して、照明デザインにかかわっています。

しかし、具体的にどういうことかというのは、照明やウェルネスの分野に携わる方は別として、一般的には、ちょっとわかりずらい世界かとも思います。

そこで筆者が今回ご紹介するのが、「サーカディアンリズム照明」です
太陽光の1日の変化(朝の青白い光〜昼の白い光〜夜の暖色光)をLEDの調光・調色で再現する技術を備えた照明です。

最近では、病院や老人ホームといった大型の施設や、外光が届かない倉庫など、様々な環境下でサーカディアンリズム照明が導入されるようになり、健康効果が実証されるようになりました。

スポンサーリンク

サーカディアンリズムの考えを照明に取り入れることで期待できること

サーカディアンリズムが狂うと「概日リズム障害」により、夜眠れない、朝起きられない、時差ボケといった睡眠障害や、うつ病、生活習慣病(高血圧、糖尿病)、肥満などの健康障害を引き起こす可能性がたかまります。
糖尿病、精神疾患、アルツハイマーなど様々な病気のリスクを高めることにもつながります。

そこで、上記のような健康リスクを回避する上では、照明の分野にサーカディアンリズムを導入することで効果が得られることや、より快適でウェルネスな暮らしにも役立つという期待が高まりました。下記は、その一例です。

  • 眠・覚醒リズムの適正化:夜間のメラトニン分泌を妨げず、質の高い深い眠りを促進。
  • 集中力とパフォーマンスの向上:朝〜日中に昼光色・昼白色の高照度な光を浴びることで、セロトニン分泌を促し心身を活性化。
  • メンタルヘルス・健康維持:体内時計の乱れに起因する、うつ症状や認知症のリスク軽減、高血圧や糖尿病などの生活習慣病予防。
  • 高齢者の転倒予防:適切な光環境の構築により、生活リズムが整い、せん妄や夜間頻尿の改善に寄与する可能性。

 

    時間帯に応じた光の使い分け (調光・調色を上手に使いこなす)

    1. 朝(起床時):明るく爽やかな「昼光色」で覚醒を促す。
    2. 日中(活動時):明るい「昼白色」〜「昼光色」で集中力を維持。
    3. 夜間(リラックス):温かみのある「電球色」に切り替え、照度を落とす。             

    自動制御による、調光・調色 サーカディアン照明(光環境)

    自然な光(太陽光)のリズムに合わせて、朝は高色温度、夜は低色温度の照明と、一日の周期で自動調節する技術がオフィスや医療施設で導入されています。
    それが、「サーカディアンリズム照明」です。

    健康経営(ウェルビーイング)の視点から、 ストレスや疲労軽減、生産性向上を目的として、照明環境を整える企業が増加します。
    施設を利用するお客様はもちろん、そこで働き、終日施設内で作業をするような人たちの健康を阻害しない配慮から、サーカディアンリズム照明が注目されるようになりました。

    睡眠・美容・ウェルネスといった分野では、「夜の光」を避けてメラトニンの分泌を促すなど、質の高い睡眠やスキンケア・ヘアケアなどに、新しいアプローチとして活用されています。

    サーカディアンリズム照明による、「光」を通じた体内時計の調整により、食事の時間にもよい効果が期待されています。体内時計に沿った食事時間を設定することで、血糖値安定や代謝向上が期待されているからです。

    このように、オフィスや住宅、病院などでは、より効果的に健康的な環境を積極的に作ることへの意識が高まりました。

    では具体的にはどのような照明を、サーカディアンリズム照明というのでしょうか。

    《記事参考元》
    https://www.jlma.or.jp/led-navi/contents/cont41_circadian.htm
    サーカディアンリズムとLED照明の調光・調色機能 - 一般社団法人 日本照明工業会(JLMA) 

    自動制御による調光・調色 次世代のスタンダード サーカディアンリズム照明

    サーカディアンリズム照明の主な特徴は、自動制御による調光・調色機能です。
    • 時間による自動変化: 専用のリモコンやアプリで起床・就寝時間を設定するとそれに連動して自動で色温度と明るさが変化する(朝は昼光色・高照度、夜は電球色・低照度)。
    • 自然光のシミュレーション: 太陽の動きのように、1日を通じて光を自動で調光・調色し、室内にいながら自然な光環境を再現する。
    • 導入メリット: 睡眠の質の向上、疲労回復、ストレス軽減、集中力向上などが期待できる。
    • 適した場所: オフィス、住宅、病院、高齢者施設など、特に昼間に太陽光が届きにくい場所や、夜間の光環境を制御したい空間。

      引用:一般社団法人日本照明工業会(JLMA)
       
    主な自動制御の仕組み

    時間帯に基づいて色や明るさを事前にスケジュールし、自動で切り替える「スケジューリング」と、部屋の明度や人の存在を検知し、適した明るさに自動で調整する「センサー連動」が主な自動制御の仕組みです。

    サーカディアンリズム照明に対応した主要メーカー

    オーデリックの「LC-FREE CIRCADIAN」や、遠藤照明の「Synca」などが知られています。
    そのほかにも、パナソニックの「エコサーカディアン・システム」、アイリスオーヤマの無線制御システム 「ライコネックス」がサーカディアンリズム照明に当たります。

     

    時間帯に応じた明るさや色について

    サーカディアンリズム照明は、太陽光の変化を模倣することで、日中の活動性を高め、夜間のスムーズな入眠をサポートする役割を果たしています。実際に、下記のような時間帯に応じた明るさや色が自動的に変化していきます。

    朝〜昼(活動期)→5000K〜6500K 昼光色・・・明るい光(やや青白い光)で、体内を覚醒させ、活動的な状態に導く

    夕方(移行期)→3000K〜4000K 昼光色から温白色へ・・・活動的なピークから徐々にリラックスモードへ移行

    夜(休息期)→2000K〜3000K 暖色系の光(電球色)・・・睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌に合わせて、休息モードを促す

     

    いかがでしょうか。
    今回は、サーカディアンリズム照明について、基礎的な内容ですが、ご紹介させていただきました。
    しかし、サーカディアンリズム照明を一般のご家庭で導入する場合、照明器具の買い替えと合わせて、施工も必要になります。
    照明の取り換えにやや手間と費用が発生するのは否めません。
    そこで、照明から導くウェルネスの暮らしを考えたとき、その最初の一歩として、基本的な照明の知識を暮らしに取り入れて、少し工夫するだけで、通常の照明からもサーカディアンリズム照明同様の効果を得ることが可能だということをお伝えさせていただきます。
    具体的には、適宜時間や状況に応じて、照明の調光・調色機能を使い分けるということです。
    調光・調色機能付きのLED照明を取り入れている方は多いのではないでしょうか。
    それでも、十分に活用できていない、ということもあるのではないかと筆者は想像します。
    もしあなたがそのおひとりであるならば、今回のサーカディアンリズム照明についての内容をもとに、明かりを日常的に調整することをお勧めします。
    もし、ご自宅の照明器具に、調光・調色機能がついていない、という場合は、まず室内の明るさが十分確保できている照明器具をつけているか、それを確認してください。
    暗すぎたり、空間の一部は明るいが、明かりが届かず、暗いゾーンもあったり、しかもそこに作業用のデスクをおいているうえ、デスク照明がない、なんて場合は、外付けの照明器具を追加したり、この機会に、適正な明かりを保てる照明器具に取り換える、などの工夫が必要です。
    十分な明るさを保てる照明器具に取り換えたり、照明器具の数を増やし(状況に応じ、点灯する照明を選ぶ)ことから考えてみましょう。LEDの取り換え時期にはいっそのこと調光・調色機能付きの照明を導入する、というのも快適な暮らしにつながる初めの一歩です。

    1日を通じて、自宅で過ごす場合は、下記を意識してみてください。
    ・作業や読書、掃除をするタイミングは、朝の光を意識し、明るい空間を作る。
    ・雨や曇りが続く日中は、あえて照明を明るくする。
    ・静かに過ごしたい日やリラックスしたい状況では、暖色系の灯りや、間接照明が映える空間を作る。
    (明るい直接照明をあえて消すなど)
    ・入眠を妨げないよう、眠る30分前には、ブルーライトを浴びない。照明は通常の20パーセントから30パーセントと、十分に明るさを絞る。

    いかがでしたか。サーカディアンリズム照明は自動制御による、照明の調光・調色が施されることを言いますが、まずは照明とウェルネスについてを理解し、自らの小さな工夫で、マニュアルで明かりを調整することから始めても、十分快適な暮らしに繋がるはずです。
    何より、照明で演出できることで、日常の空間を楽しむことができるのでおすすめです。
    ぜひ照明から導くウェルネスの暮らしに、お役立ていただければ幸いです。

    次回は、

    【~照明で導く、ウェルネスな暮らし~ ユーリカブルーの照明デザイン】コラム
    Vol.2サーカディアンリズム照明と植物育成

    についてお話させていただきます。 (3月中旬公開予定)

    記事:颯季-SATSUKI- 照明デザイナー

    コメント



    タイトルとURLをコピーしました