次戦のイングランド戦、勝敗を決めるのはズバリFW!
イングランドには、すばらしいキッカーSOのフォード選手がいる。
彼は前節のアルゼンチン戦で27得点をすべて彼の右足から叩き出している。
正確無比のPG、ハーフウェイ付近からの50mのドロップゴール。
あれを蹴られては成すすべがないというのが現実です。
何故? それでは簡単にお答えしましょう。
まずはPG。相手側が反則するとその地点からペナルティーゴールを狙うことができます。
通常、40m圏外ならPGは狙わずタッチキックを蹴ってマイボールラインアウトからモール攻撃というのがセオリーでしょう。イングランドもそのようにする攻撃オプションは持ってます。しかし、今回のイングランドが勝ちに徹したラグビーをしてきます。
特に前半は、固いラグビーをして日本代表の速い出足を鈍らせてくるでしょう。
日本代表が自陣で反則を犯せばかまわずPGを狙って着実に3点を加点してきます。
その反則を恐れてボール争奪戦にわずかな遅れが生じるとイングランドの強力FWが縦突進を繰り返し、着実にエリアを獲得してきます。またイングランドの両ウイングはトライ感覚に優れ優秀なトライゲッターがいます。
反則を繰り返してしまいますと、どうしても警戒して出足がわずかに遅れてしまいます。
ちょうど陸上競技のスタートでフライングしてしまい再スタート時、フライングを恐れてわずかに遅れるのと同じように。ほんのわずかですが、そのわずかな遅れがボール争奪戦には非常に大きな遅れとなってしまいます。
ですから、日本代表の戦略としては自陣での反則を最小限にしつつ、且つボール争奪戦にはアグレッシブにチャレンジする。口では言えますが非常に難しいです。
次にドロップゴールについてです。表題のラグビーはFWといったのはまさにこのドロップゴールへの対処法だからです。
ドロップゴールはご存じの通り、ボールを一度地面に落としバウンドさせ蹴ってゴールに入れるテクニックです。入れは3点加点できます。
相手がチャージにくる中でキックするという技術的にも非常に難易度の高いプレー。
僕は現役時代、ドロップゴールだけは蹴ったことありません。
これを蹴られると、次からは相手キッカーへ速いプレッシャーをかけざるを得ません。
そうすると逆に相手は出来たスペースにキックを蹴りこんできます。
正直、ディフェンス網が混乱します。
ではこれに対処するには?
答えはFW戦で前にプレッシャーかける。これが一番効果ある対象法です。
最低でもイーブンでFW戦、特にスクラムが組めたら対処できる可能性はあります。
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では、何故FW戦で劣勢だとドロップゴールは蹴られやすいのか?
答えは、キッカーのフォード選手へのプレッシャーが遅れるからです。
スクラムでボールが出る前にワンプッシュされると、日本代表FWはそのプッシュに
8人が耐えなければなりません。そうするとボールが出た後のでフェンスが遅れ、プレッシャーをかけるのも当然遅れます。
逆にスクラムが優勢だと、『押す=前に出る』ですのでボールが出た後、前にでるプレッシャーは速くなるし、相手側はいいボールを出すことが困難になります。
簡単に考えると、短距離走を走る時に、前から引っ張られて走るのはスタートも速いですよね? 逆に前から押され圧力をかけられた状態からスタートすると出足が遅れますよね。
そんな感覚と思ってもらえたらわかりやすいと思います。
ですから、ラグビーってやっぱりFWって改めて感じました。
それではイングランドのFWとがっぷりよつにスクラム組んでイーブンに持ち込めるでしょうか? 答えは非常に難しいと思います。イングランドは欧州6か国の中でもFWが強いチームです。FWの総重量も日本代表を上回ります。
このFW戦、特にスクラムで劣勢に立つとフォード選手はプレッシャーの無い中、自由にキックを蹴れ、ドロップゴールを決めたり、イングランドの強力FWを前に進めることができます。
日本代表が選べるゲームプランは、キックで相手陣深くに入り込み、できるだけ相手陣でプレーする時間を長くしたエリア獲得重視のゲームプラン。
もしくは無理なFW戦を避け、できる限り速くボールを動かしてランでエリアを獲得するゲームプラン。このどちらかでしょう。
先のキックでエリア獲得のゲームプランは、山中選手みたいなロングキックの蹴れる選手があってのプランですので現段階でのピースでは少し難しいと思います。
無理にキックを蹴ると相手の快速ウイングにカウンターされる危険性が高まりますから。
となると、残されたオプションは、速い球出しからのボールを動かして外側で勝負する日本代表の得意とする戦法でしょう。
こういった目線で次のイングランド戦をみるのもラグビーの楽しみ方のひとつだと思います。
ラグビーでいかに相手の強みを消して、自分たちの強みを出し切る競技です。
我らが日本代表の強みとは何か?を知ったうえでイングランド戦で日本代表を応援しましょう。
頑張れジャパン!
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