ワールドカップも第3節が終わってしまいましたね。
この第3節も見ごたえある試合が満載でした。
それでは第3節の試合を振り返ってみましょう。
9月21日 プールA組 イタリアVSウルグアイ
欧州6か国で戦うイタリアと成長著しい南米のアルゼンチンに次ぐ実力国であるウルグアイの激突。イタリアは開始早々、スクラムから球を出し展開してトライを奪い幸先良いスタートを切った。しかしウルグアイはシンビンで一人少なくなったイタリアFWにプレッシャーをかけ認定トライを奪うとさらに1トライを追加し、SOエチェベリ選手のドロップゴールで、前半を17-7で折り返した。しかし後半は、イタリアも落ち着きを取り戻し実力の差を見せつけるような怒涛の攻めで5トライを奪い、31-17で快勝した。
後半はイタリアの強固なディフェンス『カテナチオ』機能してウルグアイをノートライに抑えたのはこの試合の収穫だったでしょう。
【結果】イタリア - ウルグアイ
31 - 17
イタリアは4トライ以上をあげ、ボーナスポイント獲得
9月22日 プールA組 フランスVSナミビア
この試合はフランスは、キャプテンで世界最高峰のスクラムハーフのデュポン選手をスタメンで起用してきた。コンビを組むスタンドオフにはシャリベール選手。FBにはトマ・ラモス選手を起用。ここで一気に勝利点+ボーナスポイントを獲得して決勝トーナメント進出を確定させるつもりでしょう。また、フランスはプール戦最終戦のイタリア戦まで2週間あいてしまうので試合感覚が鈍らないためという考えもあるでしょう。
ナミビアには申し訳ないですが、ナミビアが勝つ要素が見当たらないです。
試合は、開始直後からフランスが激しく攻め続け、まるで練習のAD(アタック&ディフェンス)を見ているようで、フランスは自分たちのプレーをひとつひとつ確認しながらプレーしていた。結局、フランスは14トライ、12コンバージョンキックで96-0で完勝。
この試合、フランスのダミアン・ブノー選手は3トライを挙げハットトリックを達成。
ただ、そんなフランスにも暗雲が立ち込めた。
世界最高峰スクラムハーフでキャプテンでもあるデュポン選手が相手選手の危険なプレーを受けて負傷退場。頬骨骨折の疑いがあり、決勝トーナメント出場が危ぶまれる。
【結果】フランス - ナミビア
96 - 0
フランスは4トライ以上をあげてボーナスポイントを獲得
余談ですが、この試合ほとんどん時間フランスは相手陣内で試合をして、14トライを
奪って96点を取りました。それでも96点ですからね。
1995年大会、ニュージーランドは日本代表相手に145点取ってますから。
そう考えると、当時に比べ現在は上位チームとそれ以外のチームとの実力差が
詰まってきているんでしょうね。
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9月23日 プールD組 アルゼンチンVSサモア
日本代表が戦うプールD組の試合。アルゼンチン、サモア共にフィジカルが強いチーム同士のぶつかり合い。アルゼンチンは強力FWでサモアにプレッシャーをかけられるかが
勝負のポイントとなる。
雨の降る中、お互いに持ち味を出せない試合となったこのゲーム、勝敗を分けたのはPGの精度でした。サモアのキッカー元オーストラリア代表のリアリーファノ選手が前半2度のPGを外してしまい点差を縮める事が出来なかった。
アルゼンチンの強力FWのプレッシャーからたまらず反則をしてしまいPGで3点づつ加点された。
一方、アルゼンチンもハンドリングミスを連発して自らチャンスをつぶす。
ただそこは試合巧者のアルゼンチン、サモアのアタックは前に進めるキックが少なくフィジカルを活かした単発での突進が多いのを見抜き、グランドの中盤付近で停滞させる戦法に切り替えた。
あのエリアでサモアがアタックを仕掛けてもアルゼンチンからみたら問題はさほど大きくない。
アルゼンチンのウイングでプレースキッカーでもあるボフェリ選手、良い選手ですね。191cmのサイズを活かしてハイボールの競り合いにも強い。
ランニングスキルも非常に高く、スター性も高い。
今後が楽しみの選手。
サモアで目を引いたのは、途中出場のフッカー サマ・マロロ選手。
非常に高いボール獲得能力、走力、コンタクトの強さ。
まさにインパクトプレーヤーでした。
次週サモアと戦う日本代表にとっては非常に良い収穫となった。
サモアのアタックは自陣22mライン付近からだとあのフィジカルは脅威ですが、アタックのオプションが少ない、キックが少ない、単発での縦突進をタックルで倒せばジャッカルしてターンオーバー出来る。
FWがスクラムやラインアウトでイーブンに勝負出来たら勝てる。
雨の中の試合ではあったが、サモアのFWが、あの強力スクラムのアルゼンチンFWと互角のスクラムを組んでたのは少し驚いた。
要注意選手は、フッカーのサマ・マロロ選手。
結果:アルゼンチン19 - サモア10
9月23日 プールC組 ジョージアVSポルトガル
ジョージアとポルトガルは、欧州6か国対抗戦の下部リーグ的存在の
ヨーロッパチャンピオンズシップで熾烈な戦いを繰り返しているチーム同士の戦い。
ポルトガルとジョージアは、過去18回対戦してジョージアの16勝2分。ポルトガルは一度も勝った事はありません
ジョージアは第1戦目からスタメンを8人入れ替えてきた。
僕の注目選手の一人であるウイングのアカキ・タブツゼ選手。最近の10試合で9トライを取っているジョージアのトライゲッター。
ジョージアはフィジカルの強さを活かした得意のパワーラグビーでポルトガルディフェンスを突破しトライを奪えるか。
ポルトガルの勇敢で創造力溢れるラグビーでジョージアを揺さぶることができるか?
今日の試合も前半30分過ぎまで、ポルトガルはジョージアのパワーラグビーに押されて0-13でしたが、ここからポルトガルのSOポルテーラ選手がBKラインを巧みに動かしてアタックをしかけ、最後は快速ウイングのストルチ選手がジョージアディフェンスをスピードで振り切りトライ。
5-13で折り返した後半はポルトガルの華麗なランニングラグビーが会場を沸かせた。後半17分、ふたたびSOのポルテーラ選手のラインブレイクから最後はウイングのストルチ選手がスピードでトライ。
18-13。ポルトガルにとってはジョージア戦初勝利が目前のノーサイドまで残り2分、ジョージアは得意のモールから最後はBKの選手もモールに参加し、意地のトライで18-18。
ポルトガルが最後まで攻め続けるラグビーを見せてくれ満員のスタンドからは惜しみない声援があった。
パワーラグビーのジョージアに対して、創造的なパスとランニングで果敢に攻めたポルトガルラグビーは、今大会でラグビー界に新たな旋風を起こした。
結果: ポルトガル - ジョージア
18 18 (引き分け)
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9月24日 プールD組 イングランドVSチリ
前節で日本代表を相手に完全に試合を支配して勝利を収めたイングランド代表。
この試合勝って決勝トーナメント進出を決めたい。
SOには、キャプテンのオーウェン・ファレル選手が戻ってきて、8本のコンバージョンキックを成功させる。また、20歳の新鋭ウイング ヘンリー・アランデル選手が5本のトライ、FBに入ったマーカス・スミス選手も2本のトライを奪った。
結局、イングランドは終始ゲームをコントロールし、11トライを奪って71-0で完勝。
決勝トーナメント進出をほぼ手中に収めた。
結果:イングランド - チリ (イングランドはボーナスポイント獲得)
71 0
9月24日 プールB組 南アフリカVSアイルランド
アイルランドが世界ランキング1位の実力を見せ勝利し決勝トーナメント進出に名乗りを上げるか?南アフリカが持ち前のフィジカルの強さを前面に出し、相手司令塔のセクストン選手の動きを封じ込んで勝利するか?南北半球のトップ同士の戦い。
試合は予想通りの一進一退の好ゲーム。
南アフリカのFWの圧力を真っ向から受け止めるアイルランド。
最初にゲームが動いたのは6分。南アフリカは相手の反則で得たPGを決め3点を先取。
しかしアイルランドは、33分、SOのセクストン選手が起点になりボールを展開、
最後はウイングのハンセン選手がトライ。コンバージョンキックも成功し7-3と逆転した。
しかし南アフリカは後半、準備していたサインプレーからボールを大きく展開し、ウイングのコルビー選手がトライ。8-7と逆転に成功。
しかしアイルランドはその後2本のPGを成功させ逆転。
逆に南アフリカは後半だけで3本のPGを失敗した。
最終スコアは、13-8でアイルランドの勝利。
予想していた通りFW戦、セットプレー、BKの決定力、ディフェンス、力の差はほとんど見られなかった。このような実力が拮抗しているチーム同士の戦いは、キックの差が勝敗につながるケースが多い。まさにそんな試合でした。
結果:アイルランド - 南アフリカ
13 - 8
9月25日 プールB組スコットランドVSトンガ
第3節では一番ジャイアントキリング?が起こる可能性が高い試合。
前節で同じ南太平洋諸国のフィジーがオーストラリアを破るジャイアントキリングを起こしてます。トンガも当然、『次は自分たちだ!』という気持ちでピッチに向かったでしょう。
トンガは不用意な反則を最小限にすることが勝利の絶対条件。
この試合、僕は個人的にトンガのジャイキリに期待していました。
ワールドカップ直前の試合をみてもトンガは調子が良く、逆にスコットランドは今ひとつ調子が上がってない。
また以前日本代表を苦しめたレイドロー選手のような素晴らしいキッカーがいない。以上の理由からトンガのジャイアントキリングも起こりうるのでは?と淡い期待をしていました。
しかし、試合が始まるとそんな期待?は一気に吹き飛びました。
この試合トンガは得意とするフィジカル戦でも劣勢で、前半早々、スコットランドにモールを10m以上押し込まれトライを奪われたシーンは衝撃的でした。
後半に入ると最初に得点したのはトンガ。
キックを受けてからのカウンター攻撃からトライを奪って7点差まで詰め寄った。
あれっ?トンガもしかしたら…
しかし、その後はスコットランドのシンプルだが的確にゲインラインを越えてくるアタックに防戦一方になり、最終結果は45-17でスコットランドの完勝。
やはり強豪チーム相手に反則をするとPGで即失点につながり、自分たちのリズムを掴めなくなる事を教えてくれた試合でした。
結果:スコットランド - トンガ
45 - 17
9月25日 プールC組 ウェールズVSオーストラリア
第3節ではこの試合が一番気になっていた。
プールC組の決勝トーナメント進出を占ううえで重要な試合。
オーストラリアは前節でフィジーに痛い敗戦があり絶対に負けられない試合。
一方、第2節終了時点ではウェールズはこのプールのトップ。
しかし負けるようなことがあれば、フィジーやオーストラリアに抜かれる可能性もある。
ウェールズとこの試合に勝利し、決勝トーナメント進出を確実にしたい。
この試合をひと言で表すなら試合巧者のウェールズ鉄壁のディフェンスの前に若いオーストラリアがなす術ないまま破れ去ったといった試合でした。
ウェールズは前半だけで100以上のタックルをした。これが若いオーストラリアの判断を少しずつ狂わし始めた。
通常ならPGを狙って3点を追加するが、オーストラリアはタッチキック→ラインアウトからモール攻撃を選択して失敗。
また後半、深くタッチキックを狙いすぎ失敗した場面も。
対するウェールズはとにかくタックルでしっかり相手の攻撃を止め、シンプルにアタックし、反則で得たPGを着実に決めるウェールズらしいラグビーをした。
後半ウェールズはPGでさらに点差を広げてオーストラリアにプレッシャーかけ、最後はモールで押し込んでトライを奪い、エディージョーンズヘッドコーチに完敗と言わしめた。
この試合、オーストラリアはプレーでのミス、さらに反則ミスが目立ち、アタックも単発でした。逆にウェールズは自分たちのラグビーを粛々と確実に遂行してるイメージをうけた。
結果: ウェールズ - オーストラリア
40 ― 6
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