神奈川県の水がめと呼ばれるダムの1つに、丹沢山地の東側に位置する宮ヶ瀬ダムがあります。
県民にはとても馴染み深いダムですが、県民であっても、それが30代をさかいに、宮ヶ瀬ダムについて、良く知っている世代とそうでない世代とに分かれる傾向にあるのは(TABITO調べ)、平成13年に完成した、わりあい新しいダムだからかもしれません。
社会科見学など学校の授業を通じて宮ヶ瀬ダムについて学んだ世代とそうでない世代に分かれるのです。
(筆者が宮ヶ瀬ダムについて、知っているようで実はよく知らなかったのはそれゆえです。)
宮ヶ瀬湖周辺は豊かな自然と首都圏からのアクセスの良さで年間を通じて約155万人が訪れる人気のエリアです。
『観光放流』を筆頭に、高まるダム観光人気も相まって、宮ヶ瀬ダムにも多くの人が訪れるのです。
特に宮ヶ瀬ダムでは、『観光放流』の斜め上行く『宮ヶ瀬ダムナイト放流』というイベントを、1年に1度実施し、宮ヶ瀬ダムの人気を不動のものにしました。
なんでもこの『ナイト放流』は、全国のダム観光の取り組みとしても、珍しいといいます。いったいどんなものか気になりませんか?
今回の記事は、今からさかのぼること約1年前、2023年の宮ヶ瀬湖周辺AIオンデマンドバスの実証実験の取材時に、たまたま『宮ヶ瀬ダムナイト放流』が近く行われる、ということを耳にし、同年10月のナイト放流実施日に、取材と撮影で入らせて頂いた際の内容です。ようやく皆様にご紹介する日がやってまいりました。
2024年の宮ヶ瀬ダムナイト放流募集概要も掲載しております。最後まで必読です!
ここでまず、宮ヶ瀬ダムについて、成り立ちやダムの特徴などを確認しておきましょう。
~神奈川県の水がめ4ダムの一つ宮ヶ瀬ダム~
神奈川県の水がめと言えば、相模ダム・城山ダム・宮ヶ瀬ダム、そして三保ダムの4つのダムを指します。4ダムを含め、神奈川県内のダムで最も堤体積が大きいのが、宮ヶ瀬ダムです。
前にも述べましたが、宮ヶ瀬ダムは、平成13年に完成した人造湖です。本体の宮ヶ瀬ダムと小さい副ダムの2つの発電所を持つ珍しいダムで、首都圏最大のダム、 宮ヶ瀬湖は「ダム湖百選」に選定されています。
※・・・相模ダム・城山ダム・宮ヶ瀬ダムは相模川水系 三保ダムは酒匂川水系に属します
~観光の視点から宮ヶ瀬ダムについて~ (愛川町観光協会HPより抜粋)
宮ヶ瀬ダムは、東京都心から約50キロ、横浜や川崎の市街地から約40キロという近さの場所にある、首都圏最大級のダムです。このダムは皆さんの暮らしや安全を守るために、この宮ヶ瀬ダム建設によって生まれた人造湖の宮ヶ瀬湖は、現在、神奈川県に欠かせない水源地となっています。恵まれた自然環境と、東京、横浜から日帰り圏内にあるというロケーションから、自然公園としての機能をもった首都圏近郊の観光スポットとして、年間を通じてたくさんの方々がここを訪れています。
《ダム概要》
型式 | 重力式コンクリートダム |
堤高 | 156m |
堤頂長 | 約400m |
堤体積 | 約2,000,000立方メートル |
《貯水池概要》
集水面積 | 213.9平方キロメートル(うち導水面積112.5平方キロメートル) |
湛水面積 | 4.6k平方キロメートル |
総貯水容量 | 193,000,000立法メートル |
~宮ヶ瀬ダムは、愛川町を代表する貴重な観光資源~
ここからは、実際に『宮ヶ瀬ダムナイト放流』について、愛川町役場の方にお伺いした内容をご紹介していきます。
(Q.TABITO質問 A.愛川町役場環境経済部商工観光課の回答)
Q.宮ヶ瀬ダムナイト放流は、どのような経緯で始まったのでしょうか?
町では新たな観光資源としての可能性を調査するため、国土交通省 宮ヶ瀬ダム管理事務所などと連携して、全国的にも実施している例が無い夜間の観光放流を平成28年11月に町民限定でナイト放流を試行しました。
この中で参加者に対し、ナイト放流についてアンケート調査を行ったところ、7割以上の方が「よかった」との回答の他に、8割以上の方から「また見たい」、あるいは「知人、家族などに紹介したい」との好意的な回答を得たことから、新たな町の観光資源としての手応えを感じ、平成29年より本格実施となりました。
その後、令和2年・令和3年はコロナ禍のため中止となりましたが、令和5年には5回目を開催しました。
Q.ナイト放流の演出や、ご当地グルメ出店、バンド演奏など、宮ヶ瀬ダムナイト放流の催しならではの魅力的なポイントを教えてください。
A.昼間の観光放流とは違う夜のイベントとして、ライトアップにBGMを加えた光と音の演出、さらにフィナーレの花火です。
~メディアで紹介されたことや、ダム愛好家による「ダムアワード」で、最高峰の「ダム大賞」を受賞したことで、宮ヶ瀬ダムの『ナイト放流』の話題が、全国に届いた~
Q.宮ヶ瀬ダムナイト放流は、どのような経緯で人気を博すイベントになったのでしょうか?
これまで宮ヶ瀬ダムが実施していた昼間の観光放流には、多くの方が見学に訪れていましたが、平成28年に試行したナイト放流の開催内容を新聞などで紹介されたこともあり、宮ヶ瀬ダムの認知度が高まったこと、また、「夜の放流」という他のダムでは体験できないイベントとして多くの注目が集まったこと、加えて、2022年にはダム愛好家による「ダムアワード」で最高峰の「ダム大賞」を受賞したことも人気となった要因と考えています。
Q.宮ヶ瀬ダム周辺(愛川町エリア)の魅力を教えてください。
A.愛川町は豊かな自然に恵まれ、町の中央を流れる中津川での鮎釣りまた、河川敷では一年を通じてキャンプやバーベキューに多くの方が訪れます。また、町の西側には丹沢山塊の東端にあたる仏果山を最高峰とする山並みが連なり、ハイキングを楽しむことができます。
Q.宮ヶ瀬ダムに来た際に合わせて体験するといいスポットなどをぜひ教えてください。
「宮ヶ瀬ダム」や「あいかわ公園」に近接する「服部牧場」は、県内最大規模の観光牧場として県内外から多くの人が訪れています。
牧場では、乳しぼりやバター作りなどが体験できるほか、牧場産牛乳のみを使用したジェラートや、本場ドイツで修行したスタッフが作る手作りソーセージなどが購入できる店舗も併設しています。
Q.愛川町にとって、宮ヶ瀬ダムはどのような存在でしょう。
町としては宮ヶ瀬ダムを町を代表する貴重な観光資源と考えています。
ダムという特別な空間で、他では味わうことのできない、年に1度のイベントが開催されます。
地元にゆかりのあるミュージシャンによるライブ演奏など、様々な演目を楽しみながら、ご当地フードなど屋台グルメを堪能することができます。
そして、いよいよ色とりどりの光と音楽の演出をまとった、ダイナミックなナイト放流が始まるのです。
フィナーレには盛大に花火が打ちあがる、何とドラマティックな展開でしょうか。
2023年の『ナイト放流』を取材させていただいた時は、始まりから終わりまでのその見事な展開に、胸が高鳴り感動しっぱなしだったことを強く覚えています。
宮ヶ瀬ダムの『ナイト放流』の特別感は、他ではなかなか体験できません。
下記に、2024年の『宮ヶ瀬ダムナイト放流』に関する概要及び、抽選会申込概要を掲載しています。
まだ間に合いますので、ご興味ある方、ぜひ応募してください♪
【2024年】第6回宮ヶ瀬ダムナイト放流概要
2024年10月26日(土曜日)午後5時から午後8時(予定)
放流1回目:午後7時
放流2回目:午後7時45分
(各回6分間)
ところ
宮ヶ瀬ダム堤体下(集合は県立あいかわ公園北駐車場)
対象
自家用車等で集合場所に来ることができる方
(高校生以下の方のみでの申し込みはできません)
内容
昨年も大好評を博した「宮ヶ瀬ダムナイト放流」を今年も開催します!
闇夜に照らされる宮ヶ瀬ダムからの大迫力の放流を是非お楽しみください!
イベント当日は、放流以外にも各種ステージイベントや地元飲食物の出店を予定し、フィナーレには盛大に花火を打ち上げます。
また、イベントに参加した皆様に、この日だけの限定ダムカードなどをプレゼント予定ですので、多くの皆様からのお申し込みをお待ちしています!
抽選申込受付期間
令和6年8月1日(木曜日)午前10時~8月30日(金曜日)午後5時必着
※ウェブ申し込みは8月30日(金曜日)午後5時まで、それ以降は申込できません。
参加費
大人:1,000円(高校生以上)
小人:無料
当日現金にてお支払いいただきます。
募集定員
1,200人
参加決定は抽選となりますので、町からの当選通知を受け取った方のみ参加できます。
高校生以下の方のみの参加は不可(保護者と同伴なら可)。
抽選申込方法
注意事項をお読みの上、下記「1ウェブ申し込み」、「2申込用紙を往復はがきに張り付けて郵送申し込み」のどちらかでお申し込みください。
参加決定は抽選となりますので、町から発送される当選通知を受け取った方のみ参加できます。
R6ナイト放流申し込み時注意事項(PDFファイル:111.9KB)
1.ウェブ申し込み
申込ページへのリンクは8月1日から本ページ内に公開予定です
2.申込用紙を往復はがきで郵送
申込用紙は愛川町の公共施設で8月1日から配布予定です。
抽選結果
9月下旬ごろ~10月初旬に、メール(ウェブ申し込みの場合)、返信はがき(はがき申込みの場合)で、当落選に関わらず結果をお知らせします。
ウェブからの申し込みの場合、愛川町のドメイン「town.aikawa.kanagawa.jp」から抽選結果やお知らせがメールで送付されますので、迷惑メールフィルターの解除をするなど受信設定をお願いします。
問い合わせ
愛川町役場商工観光課 電話046-285-2111(内線3523)
(平日の午前8時30分~午後5時15分)
主催
愛川町
協力
相模川水系広域ダム管理事務所、神奈川県企業庁相模川発電管理事務所、公益財団法人宮ヶ瀬ダム周辺振興財団、愛川町観光協会
※この事業は、神奈川県営電気事業の「ダム・発電所地域振興助成事業」を活用して、費用の一部支援を受けています。神奈川県企業庁の愛川第1・第2発電所では、宮ヶ瀬ダムの水を活用し、発電をしています。
愛川第1・第2発電所ホームページ:https://www.pref.kanagawa.jp/docs/e4b/ps/aik/1804.html
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